鹿児島県日置市の湯田地区に鎮座されています「稲荷神社」です。
御祭神は「倉稲魂命」「佐田彦大神」「宮毘姫命」です。鹿児島を統治してきた「島津家」の氏神様である、稲荷神。この神社はその島津家祭祀の稲荷神社の原点とも言える由緒ある神社なのです。こちらの御由緒によると鹿児島で一番古いお稲荷さんだそうです。島津家始祖とされる『島津忠久公』が摂津国住吉稲荷神社(現住吉大社末社楠クン社?)のご加護を得て出生される故事は有名ですが、忠久公が薩摩国守護職を命じられたときに創建されました。(承久三年 1221年)

 こちらは住吉稲荷神社からの御分霊であり島津家創建のお稲荷さんとしてはこちらが一番古いものと思われます。
通常はお稲荷さんと言えば伏見稲荷からの御分霊ですが、鹿児島ではこのような島津家の御縁から住吉稲荷神社からの御分霊が元神様となっています。
ちなみに私の崇敬する氏神様である「鹿児島稲荷神社」はこの神社からの御分霊でありまして、親神様なのです。鹿児島のお稲荷さんのルーツといっても過言ではないと思われます。

 五穀豊穣を願う「お田植え祭」は独特のものがあり牛面をかぶり牛に扮した演者が舞う神舞は伝統があります。地域信仰厚いのはもちろんのこと近隣の市町村や県外からの参拝も多く御祭りには大変な人出で大変にぎわいます。




 左は湯田の稲荷神社の「お田植え祭」についての説明。祭りで実際に使われる『牛面』が載っています。このお面も貴重で現在は5面しか残っていないようです。右上下の写真は境内鳥居前の仁王像一対。江戸時代の古い像ですがその形状は朽化す  ることなくきれいに残っています。神仏習合の名残を残します。

 稲荷神社参道の階段です。見た目はたいしたことなさそうですが、実際上がってみると勾配も厳しく結構きついのです。遠景はまさに昔懐かしい神社といった感じです。

 参道階段を上り詰めると拝殿です。御神幕は「丸に十の次」(島津家の家紋と同じ)の紋入りです。

 御社殿です。建て替えされたようできれいです。お稲荷さんですが朱色のお社ではありません。立て組も細かく凝っております。

 左は御拝殿の社名をあらわした額。達筆です。右は御由緒。