日本の官制は中国(明や清)および朝鮮の影響を多分にうけておりその組織の名称や機能もにかよったものが多いのです。
近代社会といわれる時代が到来するまで、アジア諸国でこの官制を厳格に適用していたのが朝鮮王朝でした。そして、お隣の朝鮮の王朝にも「命婦」と呼ばれる組織制度があったようです。
日本と同じく「内命婦」「外命婦」と同じ呼称で呼ばれる組織があります。
その組織の基本的な考え方は日本と似ています。違うところは朝鮮の場合その職階や位が細かく規定されており、日本や中国と比較してその運用がより厳格でした。
「内命婦」は宮中に仕える女官や後宮(朝鮮では側室をさす)の組織の事であり、以下のような細かい規定のもとに定められていました。
この組織を統括したのは皇后だったようです。(皇后は無位階)
「外命婦」の場合は夫の官位相当の官位が与えられます。宗親や外戚(王族やその親戚)以外は堂上官(正三品以上)以上の位階を持つものでなければ昇殿できなかったのですが、基本的には「外命婦」の婦人も堂上官の妻であれば自然に堂上官となり、昇殿ができました。
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